こんにちは。NottingHillです。
本日は日本の新たな台所、豊洲市場について書きたいと思います。
みなさまご存じの通り、2018年に東京の水産市場は築地から豊洲に移転しました。
築地にあった時は、「場内」と呼ばれた、いわゆる市場の中に一般利用者も入ることができ、新鮮な魚を買うことができました。
それが豊洲に移ってからは、基本的には一般利用者が鮮魚を買うことはできないと言われています。
実際にどうなのか、現地を訪れた報告とともに記します。
豊洲市場でも鮮魚は買える!
まず、結論から記してしまいますね。
豊洲市場でも、一般利用者が鮮魚を購入することは可能です。実際に私も仲卸が軒を構えるフロアを訪れ、購入することができました。
ただし、一定のルールがあります。
それは「あくまで購入を前提にしていること」です。
ただの見学であったり、写真を撮るためだったり、購入を前提としていない方は利用できない規則になっています。
豊洲市場には連日、団体観光客含めて多くの方が訪れていますが、観光目的の方が大勢で取引のフロアを訪れてしまうと、通路も狭く危険なため、そこは規制していると思われます。
ですので、以下もあくまで「鮮魚を購入したい時」という前提で読んでいただければ幸いです。
魚購入までのアクセス、手順は
では、具体的にどうすれば購入できるのかご説明しますね。
豊洲市場はいくつかの建物に別れていますが、まずは「水産仲卸売場棟」を目指します。
水産仲卸売場棟と言えば、飲食店や物販店舗が集まっている建物ですね。

入り口はこのような感じです。
(注:この建物には入り口が2箇所あります。飲食店エリアの入り口ではなく、駅から遠い側の物販店舗エリアへの入り口を目指してください。)
入り口では黄色い「見学者用カード」を配布しているかもしれませんが、購入目的の場合はもらう必要はありません。
人の流れとともに1~2分進むと、以下のような場所に出るかと思います。

入り口は既に建物の3Fなので、ここから上に進めば4Fの物販店舗エリア、下に行けば2Fの鮮魚仲卸エリアです。
実はここが購入できるかどうかのキモなんですね。
写真中央左のエスカレーターにのると、4Fの物品販売フロアに着きます。
ここには昆布などの乾き物や野菜、調理用品などのいわゆる「鮮魚以外」のお店が集まっており、どなたでも利用が可能です。
一方、中央右の下に行くエスカレーターの前には警備員が立っているのがお分かりでしょうか。
2Fの鮮魚エリアに観光目的の方が間違って行くことのないよう、立っているわけですね。
購入目的の方であれば、自信を持って下りましょう。もし警備員の方に声を掛けられたなら、「購入目的です」と伝えれば、問題なく通してくれますよ。
エスカレーターを下りると、そこには夢にまで見た鮮魚エリアが広がっています。

鮮魚エリア利用の注意点
購入目的なら一般利用者も利用できるのは確かですが、鮮魚仲卸エリアはやはりプロの方、業者の方に向けた場所です。
ここでは利用の際の注意点をいくつかお伝えします。
お店が忙しそうな時間帯は避ける
仲卸の方は一般的に、早朝はプロの方への対応でめまぐるしく動き回っています。
一般の方への対応が後回しにされても文句は言えません。
普段なら、午前8時~8時半を過ぎたころからですと、応対も落ち着いていることが多いようですので、できれば早朝は避けて、お店の方が落ち着いている時を選びましょう。
その方がお互いにとって納得のいく時間が得られるはずです。
走り回るターレにご注意を
鮮魚フロアにはお店の方が運搬につかう小型運搬車のターレット(一般に「ターレ」と呼ばれます)がたくさん走っています。

上の写真のような通り道は基本的にターレのためのもので、細い通路が利用者に向けたものです。
ターレはけっこうスピードも出ているので、通路を渡るときにターレの邪魔をしないよう、左右の確認は必須です。
実際に衝突事故も発生していますので、くれぐれもお気をつけください。
1尾買いが基本、値段も「キロ」単位
本当に色々な種類の海産物が手に入りますが、1尾買いが基本で、一般利用者のためにさばいてくれるお店はほとんどないと考えてください。
値付けについても、大半のお店は「キロいくら」という表示です。1尾の値段だと勘違いしないように、購入前にはしっかり確認するようにしましょう。
氷は頼めば入れてくれます。ただ移動時間などを考えると、簡易型のクーラーボックスなども用意した方が良いかもしれませんね。
水産大国、日本の魅力が凝縮
いくつか注意すべき点やルールはありますが、世界に誇る日本の水産物が一堂に会する豊洲市場で鮮魚を購入する価値は大きいです。
私も新鮮なホタテやのどぐろ、生ダコに車エビなど、たくさん買ってしまいました。
築地時代は建物もオープンな構造で、比較的自由に一般利用者も出入りできたため、一般向けの売上が売上のある程度を占めていた仲卸も多かったのだとか。
ただ、閉鎖構造を持つ豊洲市場では魚介の管理面では条件が改善しましたが、一方で一般客を遠ざける結果となっており、危機感を持っているお店も多いと聞きます。
そんな中で市場側も対応に苦慮しており、フロアの混乱につながりかねない観光客は規制する一方で、購入目的の方は受け入れるという、なんとも言いがたい対応になっているのかもしれませんね。
豊洲と言えば「おいしいお寿司」というのも間違ってはいませんが、日本の豊かな海産物に魅せられている一人として、ぜひ鮮魚購入にもチャンレンジして豊洲市場の魅力に触れていただけたらと思います。
豊洲市場の歩き方はこちら:【鮮魚購入】初心者でも大丈夫!豊洲市場の歩き方